今回も防水工法その②に引き続き、過去から現在にいたるまで主にRC造(鉄筋コンクリート造)の大規模建造物や公共施設の屋上には欠かす事のできないアスファルト防水工事についてです。屋根や板金工事にくらべて非常にセンシティブな性質をもつ「防水工事」。その中でも歴史と信頼性があるアスファルト防水について記載します。
アスファルトを敷いて水をシャットアウト
まず、アスファルトという材料ですが、これは道路舗装に使用するアスファルトと同種類のものという理解で間違いありません。高温で溶けて液状となり、常温になると固まる性質を有するものです。
固まるといっても、あらゆる固形物の中では比較的に柔らかい品質で、建物のさまざまな外的要因、収縮などによる変形にも柔軟に対応することができ、水を通さない膜を形成する耐久性の高い材料です。
アスファルトは、主に原油からガソリンや軽油、灯油などを精製する工程の中で、一番最後のほうに残る重くドロドロした黒褐色の油で、可燃性があり、服に付いてしまったらなかなか汚れがとれない扱いにくい代物でもあります。
大きく分けて3種類!「アスファルト防水」
では、実際にアスファルトをどのように使って防水しているか、工法は大きく分けて3つあります。
熱工法
熱工法とは、その名のとおり、熱でアスファルトを温めて固形から液状へと変化させ、ルーフィングと呼ばれるアスファルトが付着したシートを張付けるための接着剤的な役割で塗り付け、それを何度か繰り返して重ねていく工法です。
「溶融釜(ようゆうがま)」という専用のかまを施工箇所の近くに用意して、そこへ固形のアスファルトを入れてバーナーで熱して溶かし、それを現場で流し込むというやり方で、アスファルトを溶融する際の煙や臭気が出てしまうというデメリットが発生する、一方で厚みのある防水層を作れるため、耐久性が高いのが特徴です。
トーチ工法
トーチとは、日本語でいうと「たいまつ」で、ガス火を吹きだす小型の手持ち式バーナーのことをいいます。トーチ工法は、改質アスファルトルーフィングシートというアスファルトが付着したシートを、バーナーでアスファルトを溶かしながらコンクリート下地と密着させていく工法です。
トーチ工法のメリットは、前述の熱工法のようにアスファルトを溶かす専用のかまを設置する場所やコストを抑えられることがあります。デメリットとしては、バーナーで溶かす技術が職人によって差が生じ、熟練の技術がないと安定した接着強度を出せないということがあります。
常温工法
常温工法もその名のとおり、熱を一切使わずに防水層を形成する工法です。これは、先ほども出て来た改質アスファルトルーフィングの裏面に粘着層がついたものを、屋根下地に直接貼り付けていく工法です。この工法は、シートの密着力や防水強度のみで防水性を確保しないといけないので、正しい貼り方の知識が必要になってきます。
主に我々が一般住宅や大型建造物の屋根を施工する前に、野地板などの上に施すルーフィング敷き込みは、ここでいう常温工法だといえます。屋根は実は表に見えるカラーベストなどの屋根材だけで水を通さない訳ではなく、見えない部分でルーフィングが防水の役目をはたしてくれている重要な施工ということになります!
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